avatar
この前、母の知人に練習モデルになってもらってアロマリンパの練習をしました。
練習が終わって感想をお聞きしたら
「上手になったね〜。すごい気持ちよかった。毎回効果も感じるし、続けて受けると良いんだろうけどね〜。。。
あとは値段だな。」
普段から練習モデルをお願いしている方で、トリートメントもとても気に入ってくれていて、修了したらお客様になってもらえると思っていたのに。
値段って、いくらにすれば良いんでしょうか?

生徒さんから一番よく聞かれるのは
トリートメントの価格に関する質問です。

先日もリンパリメディアルを受講中の生徒さんから
この質問を受けました。

このスクール生さんは
痩身サロンに勤務していた経験がありますが
リメディアルを勉強して自宅サロンを開く夢を持って
現在ドリームヒントに通っています。

修了試験に向けての練習をするために
材料費のオイル代程度でいいからと
安い料金設定で親族や家族に積極的に声をかけて来たおかげで
順調にリピーターやご紹介を増やしてきています。

修了試験を来月に控えて
合格した後の料金設定で悩んでしまったのです。

 

以前に勤めていたエステサロンでも
お客様から代金をいただいた経験もあるのですから
大体の適正価格については判断できるのではないかと思うのですが

それがいざ自分自身の技術に対して値段をつけるとなると
躊躇するようです。

この記事の内容を動画で解説

価格に含めるべき判断基準

世の中には様々な職種があり
それぞれの業種によって適正価格があります。

春先になると春闘で、大手企業の賃上げや
その年のボーナスなどがニュースになりますが
企業の場合は大手の平均賃金を
基準にして判断するようです。

 

それぞれの業界の適正価格については
特に誰かが決めているわけではありません。

エステ業界の価格設定としては
10分1,000円というのが通り相場と言われていて
その額はもう10年以上変わっていません。

10分1,000円ということは
60分なら6,000円+消費税ということになります。

最低賃金と比べれば6〜7倍の稼ぎですから
単純に時給でみればかなりの高給と言えます。

 

ただし、自宅サロンの場合
実際のトリートメント時間以外にも
様々な準備や経費が必要だと言うことを
考えておく必要があります。

自宅サロンの価格設定では
以下の3つを価格に含まなければいけません。

  • 材料費・経費
  • 先行投資
  • 時給

では、1つずつ具体的に見ていきましょう。

材料費・経費

セラピストのお仕事は
ネイリストやエステティシャンに比べて
開業時や営業時の材料費や経費は少ないと言われています。

それでも、材料費や経費が
全くかからない訳ではありません。

 

まずは材料費です。

セラピストさんにとっての材料費とは
トリートメントに使うキャリアオイルや精油
ジェルやクリーム類です。

一回のトリートメントで何CC位必要かを調べて
仕入原価を大まかに計算しておくよ良いでしょう。

女性は計算が苦手な人が多くて
原価計算などしないことが多いかもしれませんが

そういう私も、スクール開校当初
オーストラリアから仕入れているトリートメント用のクリームを
生徒さんに練習用として
1リットルのボトルから小分けして譲っていました。

この時に、1リットルの中に
ボトルの重量が含まれていることに気づかず
ずっと原価割れしてしまっていたことがありました。

 

原価割れ=赤字です。

 

自宅サロンでも、仕事としてやっているのですから
赤字を出すことはご法度です。

ここら辺は、セラピストとしてではなく経営者として
トリートメントに最低限必要になる材料費くらいは
把握しておきたいですね。

 

次に、経費です。

セラピストにとっての
一番大きな経費が洗濯代です。

サロンが繁盛して、お客様が増えれば増えるほど
使うタオルの枚数は増えていきます。

タオルの質を保つために
専用の洗剤を使っているセラピストさんも
少なくありません。

こうした見えない経費を
生活費から回さない様にするためにも
洗濯代を経費として見積もる必要があります。

 

そして、経費の中でも忘れがちなのが
水道光熱費などの必要経費です。

先ほどの洗濯代と多少被りますが
他にも…

  • お客様にお出しするお茶やお水
  • トイレ(利用時間が長い自宅サロンは必ず一度は利用される)
  • 電気器具で消費する電気代(冷暖房や加湿器、飾り照明やBGMなど)
  • お客様との連絡のための電話代

これらの水道光熱費や通信費は
自宅と共有している場合でも
費用按分として、ある一定の割合で
必要経費として申告することができます。

ですから、必要経費として申告するものは
全て価格に含まれるべきものです。

先行投資

先行投資とは、開業時や営業前から
必要になる経費のことです。

例えば、自宅サロンを始めようと思った時に
以下の様な最初に必要な備品があります。

  • 施術ベッドと椅子
  • お着替えカゴ
  • タオルウォーマー
  • 施術タオル
  • トリートメント部材(オイル、ジェル等)
  • タオル等の備品をしまう棚
  • カウンセリングテーブルと椅子

いかがですか?想像よりもたくさんの
備品が必要だったのではないでしょうか。

トリートメントに使うタオル類は
余裕をもって何セットか揃ておく必要がありますし
色落ちや、消耗して肌触りが悪くなるので
ある程度のサイクルで入れ替える必要もありますし

トリートメント部材は、お客様に合わせて
変えたりする事も少なくありませんので
特にアロマセラピストにとっては
エッセンシャルオイルへの先行投資は不可欠です。

 

この他にも、玄関やお部屋の飾りや
季節のお花や飾り付けなど
お客様に喜んでいただく為のおもてなしにも
先行投資が必要です。

 

そして、先行投資で忘れてはいけないのが
技術や知識を身につけるために支払った受講料
認定を取得するのにかかった試験料です。

開業時だけでなく
開業後に受けたセミナー受講料なども

事業用であれば、全て研修費として申告できますので
これらも価格に含まれるべきものです。

セラピストの時給

さて、自宅サロンを開業したセラピストにとって
一番忘れがちなのがセラピスト自身の時給です。

「私のサロンなんだから
利益は全部わたしのものでしょ」

そう思われましたか?

 

しかし、ここまで見てきた通り

自宅サロンを開業すると、開業時だけでなく
その後の運営の中でも、多くの経費が必要です。

これらの経費を、売り上げから支払っていくためにも
セラピスト自身が自由に使える金額は
はっきりとした目安を定めることをお勧めします。

 

セラピストの時給を設定するのに
まず参考にするのが最低賃金です。

愛知県の最低賃金は845円ですが
セラピストは専門職ですから
もう少し高く設定しても良いでしょう。

 

自宅サロンのセラピストではありますが
時給は、近隣の同業サロンの求人情報などを
参考にしても良いかもしれませんし

売り上げに対するパーセンテージで
出来高払いにしても良いと思います。

 

セラピスト自身の希望を反映しても良いですが

くれぐれも、全部自分で使い切ってしまって
来月の部材の仕入れを減らすことで調整したせいで
サロンのサービスレベルが低下した

なんてことにならない様に
セラピストの時給もしっかり価格に含んでください。

価格を設定する時の注意点

ここまで、自宅サロンの価格を設定する際に
価格に含めるべき3つのものを見てきました。

最後に、これら3つの経費から導き出した価格を
以下の3つの点に注意しながら、微調整していきます。

  • ターゲットの経済レベル
  • 先行投資の回収期間
  • 顧客を育てる価格構成にする

 

ターゲットの経済レベル

まず、サロンを訪れるお客様の
経済的なレベルを考慮して微調整します。

例えば、愛知県の場合
西側に多い農村地帯の物価は低めですが
東側に多い高級住宅街の物価は高めです。

物価には地域差も多く
そこに住む人の金銭感覚も地域の物価に影響を受けます。

 

この時に気をつけたいのが

自宅サロンの所在地よりも
ターゲット顧客の所在地が重要

だと言うことです。

自宅サロンが高級住宅街にある場合でも
あなたがセラピストとしてターゲットにしている人が
近隣住民と全く違うタイプの人たちであれば
サロンの所在地よりもターゲットの所在地を優先します。

 

また、ターゲット顧客の年齢
経済レベルを大きく左右します。

この場合は、お客様自身の経済レベルよりも
その人の人生のステージとして
自分自身に幾らくらいお金をかけられるか
自分で自由になるお金をどのくらい持っているかなど

年代や人生ステージにおける
お金をかける先への優先順位を考慮します。

 

また、セラピスト自身の人脈の年齢層
大きな判断条件になります。

これまでおうちサロンを開業したスクール生さんで
もっとも集客で苦戦していたのは
30代後半〜40代のセラピストさんでした。

この年代は、子どもの塾や習い事などの教育費が
自分自身にかけるお金よりも優先される時期だからでしょう。

 

年代に関わりなく、仕事を持たない主婦も
自由になるお金は限られていますので
ターゲットの職業なども考慮する必要があるでしょう。

 

一般的に、まだまだ狭い人脈しかない
20代のセラピストさんでも
親の人脈を活用して成功している例も出ています。

あなたが持つ人脈の経済レベル
冷静に判断して価格に反映する必要があります。

先行投資の回収期間

価格を設定する際に
先行投資を価格に含める様に
とお伝えしましたが

頻繁に入れ替えることのない備品
メニュー追加などで大きな金額を投資した場合

その先行投資を、どのくらいの期間で
回収したいかを考える必要があります。

 

例えば、施術ベッド。

古くなったり、汚れたりすれば
買い替えを考える必要が出てきます。

調度品なども、何年も同じものだけを使い続けるのではなく
模様替えをすることもあると思います。

こういった、購入してから
長期に渡って使用する様な物の場合は
何年で投資回収するかを考えることが必要です。

減価償却という考え方で、購入した時の価格を
3年から5年の間に得た営業利益で
後から回収する、と考えます。

こうした設備投資などは、使えば使うほど
その物の価値は減っていきますので
使用期間が長くなるほどに
価格に乗せられる金額は低くなっていきます。

 

大きなセミナー受講料や認定試験料の場合も
同じ様に、何年で投資分を回収するかを考えます。

この場合は、先ほどの減価償却とは違い
習得した技術や知識は劣化していきませんので
単純に、何年かけて回収したいかを考えれば十分です。

この考え方を利用すると、現役セラピストさんが
自分自身に幾らくらい先行投資するべきか
測ることもできます。

 

例えば、まだ数名のお客様しかなく
月に数万円しか売り上げがないセラピストが
数十万円単位の受講料が必要な技術を
新たに取り入れるのはリスクが大きすぎますよね。

経歴も短く、セラピストとしての信頼も薄い状態で
どんなに高額な新商品を仕入れたところで
お客様に受け入れてもらえる事は少ないです。

 

逆に、既に多くのお客様がいて
既存顧客の単価アップを目指すのであれば
多少のリスクを犯すことも、経営者として必要なこともあるでしょう。

経歴も長く、セラピストとしての信頼も篤ければ
多少お金がかかっても、一度試してみようと
お客様に思っていただけるはずです。

 

この様に、セラピスト自身への先行投資を
どれくらいする必要があるかを
客観的に考えられる様になれば
セラピスト寿命も長くなっていくことでしょう。

顧客を育てる価格構成にする

一般的に、お客様には購買の段階がある、と言われます。

  • 試用客:商品の価値は理解しきれておらず、再購入するかはわからない
  • 常連客:商品の価値は理解できていて、再購入をしている
  • 上顧客:販売者への信頼が篤く、再購入を長期的に継続している

全てのお客様が、試用客から始まって
その一部が常連顧客となり
さらにそのごく一部が上顧客となっていきます。

こうした顧客レベルが上がっていく様に
価格構成も戦略的に考えることができます。

例えば、全体の底辺となる試用客の数は
一人でも多い方が良い、とされます。

そこから、試用顧客が
気軽にあなたのサロンに来てくれる様な
お試しメニューを用意することで
より多くの試用客を集めます。

 

次に、お試しメニューで集めた試用顧客に
あなたの商品価値をより深く理解してもらえる様な
カタログメニューを用意します。

カタログメニューは、あなたが出来る事の中でも
セラピストとして一番自信があるものを利用することで
あなたの良さを伝えて、リピートにつなげ
常連客へと育てていきます。

 

最後に、常連客として
再来店してくれる様になったお客様に
あなたのファンになってくれる様な
本命メニューを用意します。

例えば、リピートしてくれているカタログメニューを
より長時間で、よりハイレベルな内容になるように
上位メニューを準備することで
セラピストとしての信頼を深めてもらうことで
上顧客に育てていきます。

 

この様に、メニュー構成自体を工夫することで
お客様を上顧客へと育てていくこともできますので
特に、売り上げが上がらず悩んでいる現役セラピストさんは
一度これらを考えてみてください。

 

価格競争に巻き込まれないために

地域性やお客様の年齢層、経済レベルなどを考慮に入れ
経費や原価計算もバッチリできて
料金を設定したけれど

お友達に相談したら
「あっちのサロンは幾らでできるよ」とか
「あそこの揉みほぐし店は60分2,980円よ」と言われると
本当にこの価格で良いのかしらと
思わず焦ってしまいますよね。

 

以前、スクールのOBセラピストさんが
「家の近くのサロンのチラシが入るとドキドキする」
と話してくれました。

確かに、この先自分のお客様になる可能性のある人が
よそのサロンに行ってしまったらどうしよう、と
不安になる気持ちは想像できます。

でも、他のサロンが値下げをするからと言って
こちらも値下げをしてしまえば
「安さ」を売り物にして価格競争を始めて
業界全体の値崩れを起こしかねません。

大切なのは、価格で勝負するのではなく
セラピストとしてお客様に信頼していただけるように
絶えず努力を続け、技術も含めてセラピストとして
成長を続けてゆくことではないでしょうか。

何度も言いますが
決まった適正価格というものはありません。

 

お客様が納得してくだされば
それが、あなたの適正価格です。

 

お客様にとっての利益となる
技術やサービスを提供できるようになり、
お客様に信頼していただけるセラピストになることで
あなたの適正価格を上げていきましょう。

客単価がアップする価格設定

ここまで、自宅サロンの価格を
どんな風に決めていったら良いかを
概要だけですがお伝えしてきました。

多くの開業セラピストさんが
定価の半額ちかいお試し価格でやっと集客しても
そこから正規料金にステップアップできずに

割引やキャンペーンを繰り返して
ようやく売上をキープしているのも事実です。

特に、セラピストが一人きりで
営業している自宅サロンにとっては
安い値段で数を集めていては限界があります。

 

お試し価格から、10分1000円の
正規料金に上げる方法を
ドリームヒントYouTube校で解説していますので

売上の頭打ちに悩んでいる方は
一度、価格について一から考えてみてください。

お試し価格を正規料金にアップグレード!
サロンメニューをお試し価格から正規料金へ切り替える方法
【安易な割引が自宅サロンをダメにする理由】