自宅サロン経営者の皆さんは、こんなお悩みありませんか?

季節や時期で予約が増減して経営が不安定

リピーターの来店で日々忙しいから、新規顧客の開拓が難しい

回数券やサブスク、メンバーシップなど、違いが分からず適当に販売してる

こんにちは。日英中トリリンガル集客デザイナー 劉 羽瑠子(りゅう はるこ)です。私は、2000年初頭からWEBデザイナーを始めて、セラピストスクールDreamHintをオンラインセミナーやサブスクだけで経営できる様にしてきました。

このブログでは、売上アップする経営法に悩みを抱える自宅サロン経営者のために、回数券とサブスクという2つのビジネスモデルについて詳しく解説していきます。

ぜひ最後まで読んで、あなたのサロンにピッタリの売上アップ方法を見つけてください。

自宅サロンの回数券:メリットとデメリット

まず始めに、サロン業界でよく目にする回数券について、経営者目線で見ていきましょう。

回数券は、先払いで複数回のトリートメントを提供することで、リピーターを確保し、安定した売上を見込むことができるビジネスモデルです。

この記事を読んでいる方の中には、既にいくつか回数券を販売している方や、顧客としてサロン以外でも回数券の購入経験がある方も多いですよね。

そもそも、なぜ多くのサロンで回数券を販売しているのでしょうか?

サロンオーナーが抱く回数券への期待

開業セラピストの多くは、回数券を販売することで以下のような効果を期待していらっしゃいます。

よくある回数券への期待
  • 安定した収入源になる:回数券の先払いでまとまった収入が得られるため、毎月の売上が安定すると思われがちです
  • リピーターの増加:回数券を購入することで、顧客が定期的に通ってもらえる様になり、さらにサービスを利用してくれるようになると考えがち
  • 割引によるお得感で売上増:回数券の割引が顧客にとって魅力的に映り、新規顧客の獲得や既存客の購買意欲が掻き立てられると思いがち

こうした期待から、多くの個人サロンのオーナーさんが回数券を導入していらっしゃいます。ところが現実は、必ずしもそう順調ではありません。

店舗サロンに多い一般的な回数券ビジネスモデル

もちろん回数券販売により、実際に売上を伸ばしているサロンは多く存在します。ただ、実はその多くは、スタッフを複数人雇っている店舗サロンによる経営実績です。

複数のスタッフを抱える店舗サロンは、回数券の販売によって売上を伸ばし、経営を安定させるビジネスモデルをうまく活用しています。このビジネスモデルの成功要因は、主に3つあります。

店舗サロンの回数券ビジネスモデル
  • 複数スタッフによる施術の分担:店舗サロンでは、複数のスタッフが同時に施術を行うことができるため、回数券を多く販売しても、サロンのキャパシティを超えることなく対応でき、安定した顧客対応が可能
  • 安定的な売上確保:店舗サロンは、スタッフ毎に業務を分担することができるため、顧客に回数券をコンスタントに消化してもらうことができるため、回数券のリピート購入も増えやすく、月々の安定した売上を生み出すことが可能
  • 顧客の分散利用:店舗サロンでは、顧客が必ずしも特定のセラピストに依存せず、空いているスタッフのスケジュールに合わせてトリートメントを受けることができるため、顧客の予約が分散され、業務負担の偏りが軽減される

こんな感じで、店舗サロンはビジネスとしての体制が整っているため、回数券の販売による経営安定が実現しやすいです。

しかし、個人サロンでは状況が異なります。

個人サロン回数券のデメリット❶キャパシティの限界

開業セラピストが経営する個人サロンでは、全ての業務を行うのはオーナー自身だけです。

そのため、個人サロンで回数券を販売した場合、短期間に多くの顧客が来店すると、セラピスト1人では全てのサービスをこなすことが難しくなります。その結果として、回数券を購入したお客様の予約が取りにくくなったり、接客時間を短縮する為に全体のサービスの質が低下するサロンさんが多く見られます。

テレビで紹介されて行列ができた飲食店で、味が落ちて地元のファンが遠のいて、流行りが去ったら廃れて閉店、なんて話と同じですね

また、店舗サロンではスタッフが分担してトリートメントを提供しますが、個人サロンではオーナーセラピストがたった1人で全てのトリートメントを行います。ですので回数券によって1日に対応する顧客数が増えることで、セラピスト自身が疲弊していきます。

こうして、回数券販売がうまくいってしまった個人サロンの多くは、数年のうちにリピート客が徐々に減り、最悪のケースでは、腰痛や関節痛などセラピスト自身が体調を崩し、サロン経営自体を諦められた例も何例も見てきました。

そして実は、このキャパシティの限界が、個人サロン回数券により大きなデメリットを与えていきます。

個人サロン回数券のデメリット❷価格競争の激化

一度、あなたが店舗サロンオーナーになったと思って、具体的に考えてみてください。

例えば、あなたがトリートメントルームが3部屋ある店舗サロンを、3人のセラピストを雇って、あなたも一緒に働いているとします。また、このサロンでは、午前・午後それぞれ1名ずつ、夕方以降も2名の未婚スタッフにより合計2名は予約が取れるとしましょう。この場合、あなたのサロンで1ヶ月間にさばける顧客数は何人になるでしょう?

午前3名+午後3名+夕方以降2名
=1日8名

1日8名×月間30日営業
=1ヶ月270名

最大これだけのお客様にご来店いただいても、この売上から、貸店舗の家賃はもちろん、スタッフの給与、その他の経費を差し引いた金額が、あなた自身の収入になります

そうなんです。だからこそ店舗サロンの多くは、毎月多くの広告費をかけた『大量に集客して複数スタッフでさばく』と言うビジネスモデルにより、毎月の収入を安定化しています。毎月数十人の新規集客をし、年間で数十件の回数券を販売し、日々複数のスタッフが休憩の糸間を惜しんでSNS投稿しています。

それに比べて、セラピストがたった1人で経営・運営している個人サロンではどうでしょう?

実は、開業セラピストがたった1人で経営している個人サロンでは、年間の新規顧客数は10人未満、既存客数が50人未満でも、充分に毎日サロン予約を満席にすることが可能です。

午前1名+午後1名+夕方以降1名
=1日3名

1日3名×月間20日営業
=1ヶ月60名

個人サロンでは、1人の顧客が1ヶ月に複数回来店するケースも多いので、週休2日で営業しても、顧客数は50名前後あれば充分なんです!

どうですか?実は、個人サロンでさばける顧客数は、店舗サロンに比べて4分の1以下しかないんです。そのため、そもそも集客にかけられるお金と時間(コスト)も、店舗サロンよりも少なくなります。

では、この状態で経営している個人サロンが、回数券を販売することで、経営的にどんなデメリットがあるでしょうか?

記事冒頭でもお伝えした通り、回数券は前払い購入です。その為、回数券の価格は、必ず定価から幾らか割引される場合がほとんどです。(逆に定価のまま回数券が販売できている方がいれば、その秘訣を教えて欲しい!)

セラピスト

定期的に通われるなら回数券がお得ですよ

お客様

ちょっとでも安く通えるなら助かるわ

そう。実は、これが回数券の一番のデメリット。

割引を理由に前払いしてもらう回数券は、購入した時点から、お客様の意識が“サロンに通うメリット”から“割引価格”に移ってしまいます。こうなると、せっかく信頼で繋がっていた『ファン客』が、価格に敏感な『安かろう客』になり、以降、お得感だけで判断する顧客になってしまいます。

更に、競合サロンでも多く販売されている回数券を販売すると言うことは、競合サロンとの価格競争に参加すると言うことでもあります。ただでさえ、割引ありきの回数券によって利益率が低下しているのに、そこに競合サロンとの価格競争まで始まったら、どの様な結末が待っているかは、想像にお任せします。

そして、ここまでにお伝えした『キャパシティの限界』と『価格競争の激化』と言うデメリットによって、個人サロンにとって最大のデメリットが発生してきます。

個人サロン回数券のデメリット❸キャッシュフローの悪化

何度もお伝えしていますが、回数券は前払いにより少しお得にご利用いただく料金プランです。その為、回数券が売れれば、複数回の来店分にちかい売上が一度に入ります。都度払いで通っていた既存客が回数券を購入してくださった時には、ボーナスでも入った気分になりますよね!

でも、冷静に考えてみてください。

回数券で先に売上が入るものの、その後しばらくは、同じ顧客からは新たな売上が見込めなくなる場合がほとんどです。よほどのお得意様でなければ、回数券で来店時に、都度払いで支払っていたのと同等の金額を追加で使っていただける顧客は少ないです。「割引になるなら」と回数券を購入された顧客なら尚更です。

と言うことは、例えば5回回数券を月1回頻度のリピート客に販売してしまうと、少なくとも以降5ヶ月間、その顧客からの売上はゼロ、と言うことになります。

因みに有効期限が1ヶ月を超える合計5万円以上の回数券は『特定商取引法』の規制を、有効期限が6ヶ月を超える回数券は『資金決済法』の規制を受けますので注意しましょう

この様に、売上が上がった時点で対価となるサービス提供(トリートメントや商品の受け渡し)がなされないビジネスモデルでは、販売後のサービス提供時に必要になるコスト(ジェル代やオイル代、時給、光熱費 etc.)を念頭におかずに運用していると、気づいた時には数ヶ月にわたって無料で働かないと、なんてことにもなりかねません。

このデメリットは、多くのサロンオーナーさんが軽く考えがちです。でも、年間の売上に対する回数券の売上が占める率が高くなるほど、こうしたキャッシュフロー(お金の流れ)不安定化のリスクは大きくなっていきます。

店舗サロンでの回数券を使ったビジネスモデルが、そのまま個人サロンに適用されるわけではありませんので、よく考えて販売してください。

個人サロン回数券のデメリットを解消するための対策

それでは、個人サロンで回数券のデメリットを解消するためには、どのような対策が有効なのでしょうか?次に、その具体的な解決策について見ていきましょう。

回数券デメリット対策
  • 適切な価格設定の調整:回数券の割引率を適切に設定し、無理なく提供できる価格を維持することが重要
  • 常時販売しない:回数券のキャッシュフローリスクを最小限にする為にも、繁忙期ではなく、閑散期に来店を促す経営的戦略をもって販売する
  • リピート購入を促す施策:回数券消化後にリピート購入を促すため、次回購入時の特典や新しいメニューの提案など、顧客の興味を引き続ける工夫が必須
  • サービス提供の負担軽減施策:月間の販売個数を制限したり、美容機や温熱ドームなどオプションメニューのみ利用可能にするなど、オーナーセラピスト1人での運営上無理のない範囲で回数券を販売する
  • デジタルツールで顧客管理を強化する:デジタルツールを活用して顧客の施術履歴やニーズを把握し、最適なタイミングで次回予約を提案することで、継続的な回数券のリピート購入を促したり、定期的にフォローアップを行うことで顧客満足度を高めることが可能

「他のサロンでもやってるから」と言う安易な理由で、多くのサロンで販売されている回数券ですが、実はビジネスモデルとしてはリスクも大きい販売法なんです。

今回ご紹介した解決策を1つでも多く取り入れて、回数券のデメリットを最小限に抑えながら、サロン経営を安定させること大切です。

サブスク(サブスクリプション)の利点と注意点

近年、多くのビジネスで目にするようになった継続課金ビジネスモデル『サブスク(サブスクリプション)』は、時に「メンバーシップ」や「会員制サービス」、「オンラインサロン」などとも呼ばれます。開業セラピストに限らず、多くのビジネスオーナーがサブスク(サブスクリプション)を使ったビジネスモデルに注目しています。

サブスク(サブスクリプション)とは、月額や年額で料金を支払うことで、一定期間メンバーに限定して提供されるサービスや商品を提供ビジネスモデルのことです。具体的な例として、次のようなサブスクサービスがあります。

一般的なサブスクサービス
  • 動画配信サービス:月額や年額で料金を支払うことで映画やドラマが視聴できる
  • 音楽ストリーミングサービス:月額料金や年額料金を支払うことで音楽が聴き放題になる
  • オンライン学習プラットフォーム:月額または年額で学び放題のコースが提供される

これらのサブスクサービスに共通しているのは、ユーザー(顧客)が一定額を定期的に支払い、その間はサービスを無制限に利用できるという点です。

最近では、サロンや美容院によるサブスクサービスも多く、定期的な施術や特典が毎月受けられるといった仕組みで導入することが可能です。

美容業界や整体業界のサブスクサービス例
  • 美容院の月額カット・スタイリングサービス:毎月固定の料金を支払うことで、提携している美容院で、カットやスタイリングが何度でも(又は上限回数まで)無料で受けられる
  • エステサロンの定額フェイシャルケア:月額料金で月に2回のフェイシャルトリートメントが受けられるサービスで、特典としてスキンケア商品のプレゼントや割引が付くことも
  • 整体・マッサージサロンのボディケアサブスク:月額固定料金で、整体やマッサージを月に数回受けることができるプラン
  • ネイルサロンの月額ネイルケアプラン:定期的なネイルケアやメンテナンスやカラーリングを定期的に受けられるプラン
  • まつ毛エクステのメンテナンスプラン:月額でまつ毛エクステのリタッチやリフィルなど、定期的なメンテナンスが受けられるサブスクリプション

これらのサブスクモデルは、お客様が定期的にサロンに足を運ぶことを促し、安定した収入を得るための仕組みとして導入されています。

次に、サブスクを導入することで得られるメリットと、その一方で注意すべき課題について見ていきましょう。

継続的な収入源となるサブスクの魅力

サブスクリプションモデルの最大の魅力は、継続的な収入を見込める点です。特に、個人サロンや治療院にとって、収入が季節や時期によって左右されることなく、安定した経営を続けるための強力なツールとなります。

個人サロンにとってのサブスクの魅力
  • 安定した収入:月額料金で継続的に顧客が支払うため、毎月の売上の底上げになり、収入予測が立てやすくなる
  • 顧客との長期的な関係構築:定期的に来店するため、顧客との信頼関係が深まり、長期的リピーターになりやすい
  • 顧客満足度の向上:サブスク購入客が「料金を支払っている分、サービスを利用しなければ」という心理が働き、定期的にサービスを受ける習慣がつくので、トリートメントの期待効果を実感する顧客が増える

この様に、個人サロンがサブスクを導入することで、不安定な経営から脱却し、毎月の安定収入を確保することができます。この仕組みがうまく機能すれば、売上の波を抑え、顧客の満足度も向上します。

回数券と比較したサブスクの特徴

サブスクって、回数券に似てる気がするけど。。。

ここまで読んで、そんな風に感じている方も多いのではないでしょうか。

でも、サブスクリプションと回数券には、サービス提供の上でいくつかの明確な違いがあります。

サブスクならではの特徴
  • 継続的な支払い:サブスクは月額や年額で自動的に継続課金されるため、先払いでまとまった金額を受け取ることで長期間に渡って売上が発生しなくなる回数券に比べて、毎月の安定収入につながりやすい
  • 定期的なサービス提供が必要:事前に利用回数や利用タイミングが決まっている回数券とは違い、サブスクでは一般的に、顧客がサービスを定期的に受けることが前提となっているため、定期的な施術やサービスを提供する義務が生じる
  • 顧客が解約しないための施策が必要:購入後は回数分を使い切るまでサービスが続く回数券と違い、サブスクはサービスに満足しなければいつでも解約されるリスクがあるため、常に新しい価値を提供し続ける必要がある
  • 新規顧客獲得と維持のバランスが重要:サブスクでは継続率の維持や解約阻止の施策はもちろん、新規顧客も獲得しなければならず、特定期間の利用に限定される回数券の瞬発的な販売よりも高いビジネススキルが必要になる

この様に、なかなか理解されづらい「回数券」と「サブスク」の違いですが、実際に販売して運用してみると、この2つのビジネスモデルには大きな違いがあります。

因みに、サブスクも回数券と同じ様に、月額が5万円を超える場合には『特定商取引法』の規制を受けますので、価格設定には注意しましょう

そして、このサブスク(サブスクリプション)モデルにも、回数券と同じ様に注意すべき点が多くあります。

私はドリームヒントの集客担当として、そしてWEBデザイナーとして、これまでに多くのサブスクサービスを販売・運営して、多くの成功例と失敗例を見てきました。

ここからは、特に個人サロンやスクールのオーナーが知っておくべき、サブスク(サブスクリプション)を導入する際の課題やリスクをお伝えしていきます。

個人サロンがサブスク導入する課題とリスク

個人サロンでサブスクリプションを導入する際には、いくつかの重要な課題とリスクを考慮する必要があります。特に、セラピスト1人で経営している場合、サービス提供の負担や顧客の維持が大きな問題となります。

まず、サブスクリプションモデルでは、月額料金に見合ったサービスを継続的に提供し続ける必要があります。毎月定期的に来店するサブスク購入客に対して、新しいサービスや特典を提供しないと、顧客が飽きてしまいサブスクを解約されるリスクが高まります。

しかし、オーナーセラピストがたった1人で経営・運営している個人サロンでは、こうした新しい価値を提供し続けることが難しく、オーナーに大きな負担がかかります。

継続的な価値提供の難しさ
  • トリートメントを特典として提供する負担:自分以外の誰かが考えたトリートメントや施術法を、スクールやセミナーで学ぶことで開業している個人サロンでは、既存メニュー以外の新たなメニューを考えて特典として提供するのは難しい
  • 商品を特典として提供するリスク:メーカーから仕入れた市販品を、業者価格で仕入れて再販している個人サロンでは、既存商品をサブスク会員だけに割引き販売する等の特典提供する際に、仕入れ元で決められた割引率の上限を守る必要がある
  • 入会直後の解約率が高くなりやすい:既存メニューや商品以外に提供できる特典が少ない個人サロンのサブスクは、月額に対するお得感を感じてもらうのが難しく、新規サブスク購入者が2回目以降の支払い前に解約するケースが多い

また、サブスクの場合、お客様がサブスクに登録しても、価値提供に満足しなければすぐに解約されてしまいます。その為、サブスクの販売者は、お客様に支払い続けてもらうための工夫が、常に求められます。

これは、来店回数を決めて前払いする回数券に比べても、特にサブスク特有の難しさです。

サブスク継続率を高める難しさ
  • サービスの継続的な更新が難しい:サブスク顧客は新しい施術や特典を求めるため、サービスの定期的な刷新が必須だが、個人サロンでは限界がある
  • 解約率が高まるリスク:顧客がサブスク特典に飽きてしまうと、途中で解約される可能性が高く、せっかくの定期収入が途絶えることになる

更に、サブスクで提供するサービスや特典は、月額料金に見合った価値を顧客に提供しなければなりません。

しかし、個人サロンでは、通常のトリートメントや商品に加えて、サブスク用の特典や割引などを提供する場合、利益率が下がる分、オーナー自身が余分に働かなければならなくなるリスクがあります。

コストと価値のバランスの難しさ
  • 料金に見合った価値を提供しなければならない:支払う月額料金以上の価値を感じてもらう必要があり、販売できるサービスや商品の少ない個人サロンでこれを実現するには、オーナーが身を切るしかない
  • コストと利益率の低下:サブスクの価格を低く設定しすぎると、サロン側が受ける利益が少なくなり、オーナーにとっては負担が増えるだけになってしまう可能性がある

この様に、サブスクの導入には多くの魅力がある一方で、個人サロンならではの課題やリスクに対して、事前に対策を講じることが成功の鍵です。

ここからは、個人サロンがサブスク導入する際に注意すべきポイントや、サブスク失敗のリスクを軽減するための具体的な対策をお伝えします。

個人サロンのサブスク注意点❶無理のないサービス設計

ここまでにお伝えしたとおり、オーナーセラピストがたった1人で運営している個人サロンでは、サブスク購入客のためだけに新しいサービスや特典を提供し続けることは大変難しいです。そのため、サブスク自体を無理のない範囲でのサービス設計することが重要です。

毎月新しいメニューや商品をサブスク提供するのではなく、通常メニューのバリエーションを増やしたり、追加のアフターケアサービスを柔軟に組み合わせることで、顧客が飽きにくい環境を作ることも効果的です。

やってはいけないサブスク特典
  • 限定コンテンツ配信:LINEの一斉配信やSNS投稿もコンスタントにできていない個人サロンオーナーが、サブスク登録客向けにもう1つ余分にLINEメッセージやSNS投稿を考えるのはハードルが高すぎ
  • 毎月1回の限定キャンペーン:そもそも既存客が少ない自宅サロンにとって、サブスク購入客のほとんどがVPI級の高額購入客になるため、そこに限定キャンペーンを追加するのはトータルで売上UPではなく売上Downになる可能性が高い
  • 受け放題・使い放題:新規集客数が少ない自宅サロンにとって、薄利多売のビジネスモデルでもある受け放題・使い放題のサブスク導入は自殺行為

個人サロンのサブスク注意点❷徹底した予約管理

次に、オーナーセラピストがたった1人で運営している個人サロンでのサブスク導入には、オーナーの負担を軽減するための予約管理が必要です。

サブスク顧客が増えると、実質的なトリートメント時間数が増加するので、オーナーが過度に疲弊する可能性があります。これを防ぐためには、予約を適切に管理し、無理のないスケジュールでサブスク顧客を受け入れるように工夫することが重要です。

例えば、月に利用できる回数を限定したり、特定の日や時間帯にのみサブスクのサービスを提供することで、負担を分散させることができます。

サブスク向け予約管理法
  • 予約の受付期間を区切る:サブスク顧客は、始めから継続的な利用を目的としてサブスク登録していますので、サブスク利用する予約は他の顧客より早期に締め切ることも可能
  • 駆け込み予約で特別扱い:一般客の予約受付に期限があるサロンでは、逆にサブスク登録者だけは前日や当日の予約も受付可能にすることで、VIP顧客の囲い込みにサブスクを利用できる

個人サロンのサブスク注意点❸特別扱いを実感させる

最後に、料金に見合った“特別扱い”を実感させることで、サブスク顧客の満足度を上げる工夫が重要です。サブスク顧客の満足度に必要なのは、サービスや特典だけではありません。VIP級の“特別扱い”を受けていることを、日頃から実感させる仕組みを用意するだけでも、満足度の維持にとても効果的にです。

この“特別扱い”をうまく利用しているのが、航空会社です。ゴールド会員やダイヤモンド会員は、特設チェックインカウンターで優先的に手続きできます。ビジネスクラスの顧客は、一般客の長い列を横目に、誰よりも早く搭乗できます。

この様に、サブスク登録していない一般客から見ても明らかな“特別扱い”を受けていることを実感させることで、顧客が「この価格でこれだけのサービスが受けられる」という納得感が持てるように、サービスを設計します。

サブスク顧客向け“特別扱い”
  • 限定サービスや特典の店内掲示:サブスク限定のサービスや特典は、サブスク顧客以外の顧客にも分かるように店内に掲示することで、サブスクの宣伝はもちろん、既存メンバーの自己顕示欲を刺激します
  • 限定サービスや特典利用の様子を発信:サブスク購入者が限定サービスや特典を利用する様子を、写真や顧客の声としてブログやSNS、LINEなどで発信することで、既存メンバーに優越感を感じてもらいます
  • 限定メッセージなどで呼びかける:「サブスクメンバーさん」や「サロン会員さん」など、サブスク顧客に愛称をつけてブログやSNS、LINE発信時に呼びかけるだけでも、サブスク継続している人への貴方からの敬意を実感してもらえます

一般的に、サブスク継続の理由は、割引や無料プレゼントなどの限定サービスや特典だと思いがちです。しかしこの様に、実はこうしたコスト不要の“特別扱い”の方が、サブスク顧客はより大きな満足感を感じます。

特に、顧客との距離感が近い個人サロンでは、こうした“特別扱い”の効果は絶大です。思い込みに囚われず、貴方らしい“特別扱い”の方法を考えてみてください。

自宅サロンに最適なビジネスモデルの選択方法

それでは、自宅サロンにとって、回数券とサブスクのどちらが適しているのか、選択のポイントを考えてみましょう。

自宅サロンの集客を始めて20年目の私は、これまでに様々な集客法を試して、数千のサロンオーナーさんを見てきた経験から、どんな集客法であっても、最後はサロンの特性や顧客層に応じた最適な選択肢を見つけることが、成功への鍵になると思っています。

サロンの特徴に合わせたビジネスモデルの選択

多くの開業セラピストさんが、経営に行き詰まると、周囲のサロンがやっているビジネスモデルや集客法を真似ようとします。しかし、自宅サロンに限らず全てのビジネスにおいて、経営法や集客法は、ターゲットと課題に合わせて選ぶべきです。

例えば、新規顧客はそれなりに集客できているのに、定期的に来店するリピート客が少ないことが経営に悪影響を与えているサロンなら、新規客が最も購入しているメニューを使った回数券を販売することで、初回来店後のリピート率を改善することが期待できます。

一方で、既に定期的に通っているリピート客が多いことで、新規顧客の予約を受ける余裕がないサロンの場合は、リピート客向けにサブスクを導入することで、全体の売上を底上げしながらリピート予約をまとめることで、新規予約を受け入れる余裕が生まれることが期待できるでしょう。

ビジネスモデル選択時のチェックポイント
  • ターゲット顧客:どんな人が定価を支払う価値を感じてくれるか?
  • 経営課題:現在の経営状態の原因は何か?
  • 選択肢:ターゲット顧客の購買行動によって経営課題を解決できる選択肢な何か?

他にも、業種やサービス内容によっても、適正なビジネスモデルの選択が違ってきます。SNSや広告を使って派手な集客法ばかりを真似ずに、経営者として、あなた自身のサロンに最適なビジネスモデルを複合的に選ぶための、具体的な判断基準を持つことも大切なことです。

ハイブリッド戦略の可能性と注意点

ここまでに解説してきた様に、回数券とサブスクには、それぞれにメリットもデメリットも存在します。そこで、それを上手く利用して、回数券とサブスクを併用するハイブリッド戦略も一つの選択肢です。

一般的には、既存顧客には回数券を提供し、定期的に来店してもらうことでリピート率を高める一方で、新規顧客にはサブスクを提案し、定期的な利用を促すという仕組みがよく使われます。この戦略は、大手企業や有名インフルエンサーのサロンで大きな効果を発揮します。露出が多く、顧客基盤が広いため、さまざまな顧客層にアプローチできるからです。

しかし、集客力や経費が限られている個人サロンでハイブリッド戦略を導入する場合、注意が必要です。

回数券とサブスクの両方を提供することで、顧客がどちらのプランを選ぶべきか迷い、結果的にどちらも選ばれないというリスクが高くなります。さらに、新規顧客の獲得が少ない場合、サブスク顧客が十分に集まらず、月額料金が安定した収入源にならないこともよくあります。それどころか、これまでは定価で通っていたリピート客が回数券やサブスクの割引価格に変わってしまい、全体の売上が下がってしまうことも少なくありません。

個人サロンでのハイブリッド戦略の間違い
  • 顧客が混乱する:回数券とサブスクのどちらが自分にとってお得か判断できず、結果としてどちらのプランも選ばれない
  • 新規顧客の不足:新規顧客が少ないすぎてサブスク顧客が増えず、サロンの売上が安定しない
  • 客単価の低下:定価で通っていたリピート客が回数券やサブスクの割引価格に変わることで、客単価が低下する可能性がある
  • 売上の安定化が難しい:回数券やサブスク客の増加による売上UPを見込むが、顧客総数が少ない個人サロンでは数を売ることが難しいので、全体で見ると売上が低下しやすい

これらの誤った回数券やサブスクの活用により、個人サロンでは全体的に、ハイブリッド戦略がかえって経営リスクを高める結果になりがちです。そうならない為にも、回数券とサブスクを適切に使い分け、無理のない範囲で導入することが大切です。

例えば、すべての顧客に対して同時に複数のプランを提供するのではなく、始めて来店した新規顧客のリピート率UPや、サロンの“ファン客”でもある長年のリピート客など、まずは一部の顧客に向けて最適なプランを見極めながら提供することが重要です。

今日ご紹介した注意点、実は私たちドリームヒントも、全て経験してきたことなんです!

リスクを少しでも減らす方法や、回数券とサブスクを正しく活用する方法については、無料セミナー「対面サービスDXセミナー」で詳しく解説しています。セミナーでは、実働時間を増やすことなく売上を伸ばすための具体的な方法や、個人サロンが抱える課題に対する実践的な解決策を学ぶことができます。サロンの経営を安定させ、成功へと導くために、ぜひセミナーにご参加ください。

実際にサブスク導入した事例をご紹介

ここからは、実際に劉式のビジネスDX化を学ぶことで、サブスクリプション(サブスク)モデルを効果的に導入して成功した実例をご紹介します。

この事例では、無料セミナー「対面サービスDXセミナー」を受講し、その後の有料プログラムで学んだノウハウを活用して、自宅サロンやスクールの売上を安定させるためのサブスクサービスを導入した成功例です。

喜名田さん
理学療法士

サブスクを効果的に導入した整体院

自己流でオンライン講座みたいな感じで販売はしていましたが、Zoomで1対1でやっていたので、やはり手が回らないので完全自動化したい、という時にちょうど目に止まりました。

この値段でこの内容すごいなっていうのが正直なところです。今まで受けた色々な講座とかは、もっと浅いっていうかな。でもこちらの講座はステップが細かいので、ちゃんとそのままやれば出来る、と言う感じでした。

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受講生の声を読む

この成功事例では、顧客に直接施術を提供するだけではなく、オンラインを活用したサービス展開が重要なポイントとなっています。施術だけに頼らず、オンラインコンテンツを通じて顧客に価値を提供することで、売上の多様化と継続的な収入源の確保に成功しました。

次に、開業2年目でサブスクリプションモデルを導入し、成果を上げたセミナー講師の例をご紹介します。この方は、薬剤師としてパート勤務をしながら、セミナー活動とサロンの運営を並行して行う中で、時間を効率的に使いながら収益を増やす方法を見つけることが課題でした。

廣田さん
薬剤師&講師

開業2年目でサブスクを導入に成功したセミナー講師

セミナー講師の他に、セラピー施術や薬剤師という仕事も両立しながら、県外に友人と旅行する時間も確保したい。今までリアルで講座をやっていたことを動画販売でやりたいなと思ってたところに、本当にタイミングよく(モニター受講の)お声をかけていただきました。

対面セミナーの頃は、セミナーを受けたら終わり、と言う方がほとんどでした。今は、onLINEセミナーを受けていらっしゃる方は、全員が私のセラピー施術にも来てくださっています。

初めてする動画撮影と編集にすごい時間を取られましたが、サブスク運営に必要なスキルを身につけられたと思います。自由的な時間が増えたので、先月は2回東京に行きました。自分のやりたいことにも時間をバランスよく使えています。

詳しい成功ストーリーはこちら
受講生の声を読む

この事例では、セミナー講師としての専門性を活かしながら、オンラインとオフラインのサービスをバランスよく組み合わせることで、売上が大きく向上した点が特徴です。

サロンの強みを活かしたサブスク成功へのステップ

個人サロンやセミナー講師がサブスクリプションモデルを導入して成功するためには、ただ単にオンラインサービスを提供するだけでは不十分です。自分自身の専門性やスキルを活かしながら、オンラインとオフラインのサービスを効果的に組み合わせ、顧客に対して継続的な価値を提供することが重要です。

しかし、サロンの強みを最大限に活用し、オンラインとオフラインの両方を使いながら、どのようにバランスを取ってサービスを提供すると効果的なのか、具体的な手順を知りたい方も多いはずです。

そこで、無料セミナー「対面サービスDXセミナー」では、あなたの専門性を活かしながら、オンラインとオフラインのサービスをバランスよく組み合わせる具体的な方法を詳しく解説しています。このセミナーでは、サブスク導入の成功ステップや、サロン予約の負担を増やさずサブスク運営するための具体的な戦略もご紹介しています。

サロンや自宅サロンを経営する中で、限られた時間とリソースで売上を伸ばす方法を知りたい方は、ぜひ無料セミナーをご覧ください。あなたのサロンの強みを最大限に活かし、サブスクを効果的に導入するための実践的なヒントが得られるはずです。