お客様の信頼の為にも、一枚くらいは認定証を取得した方が良いかと思っていますが、オススメの資格はありますか?
セラピストの資格については
とてもたくさんの方から質問を受けますし、
すでにセラピストをしている人も
いつも気になっている問題だと思います。
一般的なセラピストの資格については
【連載:セラピストと法律(1)】
国家資格の無いセラピストは違法なのか?
で詳しく取り上げていますので
そちらを参考にしてくださいね。
今回は特に
沢山あるセラピストの資格の中から
どの資格を取るかを選ぶ基準についてお伝えします。
この記事の内容を動画で解説
セラピスト資格の種類
セラピストに関係する資格の種類としては、
大きくは『技術系』『知識系』『商材系』の三つに分けられます。
それぞれの特徴を見ておきましょう。
まずはセラピストには必須の技術系の資格です。
ご質問のように
セラピストがサロンを開業しようとすると
プロとしての信頼を得るためには
認定証の一枚くらいは飾りたいと
皆さん思いますよね。
お客様の側からしても、どこかのサロンに行った時に
認定証が一枚も飾って無かったら
漠然とした不安を覚える方も多いのではないでしょうか。
では一般的にセラピストさんが取るべき資格を選ぶ時には
どんな基準で選んでいるのでしょうか?
技術系の資格なら
まずはトリートメントの効果が期待できるか?
ということは大きいですね。
一生懸命勉強してその技術を身につけたのに
技術自体が中途半端でトリートメントの効果を
お客様に感じていただけないとしたら
せっかくのお金と時間が無駄になります。
また、経営面から見ると
周りでその資格を持つ人が稼げているかどうかは
大きな判断材料ですよすね。
確かに今流行っている技術で
皆んなが習っているものなら安心できるかもしれませんが、
その逆も考えられますよね。
例えばアロマトリートメントの資格は
アロマ環境協会のアロマ検定だけでも
年間1万人以上の人が取得していますので、
広く一般にも知れ渡っていますが
アロマトリートメントを受けたい人からしたら
あなたのサロンでなくても
どこに行っても受けることができますから
あまり広がりすぎている技術は
かえって不利かもしれません。
知識系の資格も最近は増えてきています。
ドリームヒントスクールにも
理論だけの受講を希望する方もいらっしゃいます。
現役セラピストさんのドリームヒントの入校理由に
「理論を学びたい」というのは常に上位にあがっています。
人の身体に触れる仕事をしているセラピストさんは
解剖生理学などの身体の知識を知って
お客様トリートメントの有効性を説明できるようになることで
安心してトリートメントがしたいということでしょう。
もう一つは商材系の資格です。
これは商品メーカーさんが
その商材の使い方を知ってもらうために
独自にその商品限定の資格を定めるものですが、
これは往々にして販売マージンを受け取るための
条件になっていることも多いようです、
協会の資格なら安心なのか?
次に『協会』の資格について考えてみましょう。
協会には大きく三つの種類があります。
まず国家資格を認定するための協会
二つ目が民間資格を認定するための協会です。
国家資格に関わる協会は主に国の主導で作られますが、
逆に技術などが広く一般に普及した後から
その業界の有識者などを集めて作られて
国家資格に昇格した協会も多くあります。
あとは完全な個人で協会と名乗るだけのもので、
実は協会はいつでも誰にでも作れてしまうのです。
このいつでも誰にでも作れてしまう名前だけの協会は
社会的な信頼性という面では
先の二つに比べれば決定的に下がりますので、
名前に惑わされずにその協会の
中身と実態を見定める必要があります。
資格を選ぶ時の注意点
技術系の資格を選ぶ時の判断基準としては
その資格を持つ人の人数の多い少ないではなく
その資格を持っている人の中にプロがいるか、です。
つまり、その資格を持っている人が
実際にその資格を使って食べられているか?
稼げている資格か?ということです。
認定証を発行することが目的になっていないか?
という点でも
取得後のサポート体制があるかはポイントです。
認定証を一回発行したら終わりになってしまって
年会費さえ払えばそれ以上の勉強はしなくても良い
というような協会は避けた方が良いでしょう。
また、年会費は必要ないけれどサポートもなくて
勉強し続けたいと思う時に勉強できないのではこまりますよね。
もっと学びたいと思う時に
相談に乗ってもらえたり受け皿があるかどうかも
選ぶ基準に入ると思います。
理論系の資格を選ぶ時の基準ですが、
理論系で一番大切なのは
医学的な根拠をどのくらい押さえているかです。
最低でも、何人くらいの人に試した内の
どの位の割合の人に結果が出たかというような数字は
エビデンス(根拠)として持っている理論であるということは
今流行っているかどうかよりも大切な基準です。
資格、特に国家資格については
海外では医療系や教育系などの、人の人生や健康に関わる国家資格は
更新の度ごとに、前回の更新から今まで
何年以上・何時間以上プロとして仕事をしていないと
更新ができなくなっていることがほとんどです。
ところがこれまで日本では、
医療従事者として医学知識を学んだ後に
開業したり病院勤務をしてプロとしての仕事を続けていなくても
一度取った資格は取り消されることはありませんし、
何十年も前に学んだ理論のままでも十分仕事ができています。
日本でも最近になってようやく
医療従事者の資格に更新が必要になってきたという状態です。
最近は医療系の仕事に携わった人が
医学知識や理論をブログなどで紹介するページも増えていますので
そこで取り上げられている理論が
その人が最初の頃に勉強した当時の古い理論や知識ではないかも
注意する必要があります。
特にリンパの理論については
リンパ自体がきちんと研究され始めたのがせいぜい50年前なので
それまでのリンパの常識を覆すような新しい研究成果が
ここ4〜5年の間だけでも続々と発表がされています。
にもかかわらず、今でも20年前の古い古いリンパ知識を
そのまま伝えている協会もまだまだあるというのは
とても残念な状態です。
それも踏まえて、協会を選ぶ時には、
常に最新の医学知識をアップデートし続けているかどうかも
確認しておきましょう、。
三つ目が、商材系の資格です。
商材を販売するメーカーさんがその商品を
販売するために必要な資格として独自に設定しているものです。
商品販売はサロン営業には大きな助けになりますが
その資格を選ぶかどうかの絶対的な基準は
その資格が、今持っている技術の下支えになったり
効果を上げることができるものであるということです。
今ある技術との相性が良く
二者択一にならず相乗効果が狙えるものです、
今はほとんどの方がインターネットで探すと思います。
技術名や資格名で少し検索すれば
様々な資格がずらっと出てきます。
一つの資格について知りたくて辿り着いたホームページが
結局はその協会を作った人のページだということもあります。
これはただの自分の協会のコマーシャルで
ホームページを見ている人が求めていることには
役に立たない場合や利益相反になる場合もあるので、
どんな立場の人が書いているかも
しっかりと見極める必要があります。
良くある例では
痩身サロンでボディーラインを整える矯正下着を販売することで、
これをやってしまうと販売利益は上がっても
サロントリートメントの売り上げを減らすことになります。
15年前には、ホームページさえ無かったのですが
今は資格を探す時にはほとんどがインターネットを使います。
ここ5年くらいの間に「セラピスト 資格」は
SEOでも人気のキーワードになっていて、
インターネットで検索すると
資格運営者のブログやホームページとか
資格系のポータルサイトが上位を占めています。
協会を運営している人のブログやホームページで注意したいのは
利益相反になっていないかということです。
利益相反とは、一方の側の利益が
同時に他者の不利益になってしまうということで
協会で自分のところの資格を取って貰いたい人の情報は
資格を取ってもらう目的になる情報だけを選んで出しているので
情報そのものに偏りがないか注意が必要だと言うことです。
また
セラピスト関連のサイトを集めているポータルサイトは
沢山の情報を比較検討することはできますが
有料ポータルサイトでは
サイト上のコマーシャルを打つことと同じことなので
情報の公平性は差し引いて考えるべきかと思います。
また、無料ポータルサイトなら大丈夫か?と言うと
無料で掲載できるサイトは本当に沢山ありますが、
その運営費はどこから出ているか考えて見てください。
実は無料ポータルサイトの運営費は
そのサイトの広告収入で賄われているのです。
検索に引っかかって表示されるだけで収入になったり
クリックされて企業のホームページに誘導できるだけで
運営費を賄うことができるのです。
ですから、ややもすると掲載の内容よりは
それこそ検索にヒットするキーワードを
どのくらい載せておくかとか
文字数をどのくらい増やせるかが勝負なのです。
なのでこれらのポータルサイトでは
掲載してくれる件数を集めることが大切なので、
必ずしも情報を求める私たちにとっては
本当に有益な情報かどうかは保証されるものではありません。
新しい資格を探すタイミング
資格選びで大切なのは
自分自身がどんなセラピストになりたいのか、
そのためにはどんな技術や資格が必要なのか。
そしてそのためにどれだけのお金と時間をかけて
勉強を重ねて行くのかという
自分なりの判断基準をしっかりと持つことが大切です。
それも定まらない内に次々と新しい資格を探すのは
あまりオススメできません。
一つの資格を取ってそれでお金にすることができていない人は
別の資格を取ったとしてもお金にすることは難しいです。
今持っている一つの資格でしっかりお金が稼げるようになって
その成果をもう一段大きく広げたいと思った時が
次の資格を考えるタイミングです。
ドリームヒントスクールでは
15年前に最初のリンパの資格を取りました。
その後10年間そのトリートメントをやってきて
お客様が抱える頑固な凝りなどの問題点を
解決する方法が見つからなくて
限界と大きなジレンマを抱えていた時に
出会ったのがリメディアルでした。
クリニカルマッサージが
スポーツ大国のオーストラリアで独自に発展して
国家資格としてオーストラリアの代替療法を支えています。
また、国家資格を持つプロのセラピストが
オーストラリアには数多くいるという状況を目の当たりにしたことが
リメディアルセラピーの資格を取得する決めてでしたし、
10年間リンパトリートメントをやり尽くしたからこそ
リメディアルを選び取ることができたのだと思っています。
国家資格を持たないセラピストにとって
認定証があるか無いかは、プロとして
お客様の信頼を得られるかどうかの基準でもあります。
ただ、資格の内容以上に法律を守って仕事をすることは大切です。
セラピストが学んでおくべき法律セミナー
ここまで、セラピスト資格に関する
法律についてお伝えしてきましたが
ドリームヒントには
全てのセラピストが知っておくべき
セラピストの業務に関わる法規を
学ぶセミナーがあります。
セラピストに関わる法令・法規はもちろん
サロンの運営に関わる法規や
セラピストが法律に触れずに仕事をするために
知っておきたいことについて
2017年10月時点での
最新の法規について
オンラインで学ぶことができます。