セラピストスクール ドリームヒント校長 加藤琉魅子です。

これからセラピストになりたいと思う人が
最初に悩むのは、
どこでどうやってセラピストの勉強をするか?
ということでしょう。

セラピストになるための勉強の方法は
大まかに次の3つに分けられます。

  • 独学(サロンに就職して現場で学ぶ)
  • 学校に通う
  • 通信教育

これらの学び方はどれもそれぞれに良さと弱点があります。

自分の生活スタイルに合わせて、
どれくらいの時間とお金をかけることができるか?
じっくり検討できるように、

ドリームヒントスクールを訪れた
スクール生さんたちの経験も含めて
それぞれの方法について考えてみましょう。

独学でセラピストになれるのか?

独学というのは、
だれにも習わないということではありません。
セラピストの技術は本を読んだだけで学べるものではありませんからね。

ここで言う「独学」とは、
「特に教育機関などで学ぶことをしていない」という意味です。

つまり学校には通わず
どこかのエステやリラクゼーションサロンに就職して、
そこのオーナーさんや先輩セラピストに教えてもらって
技術を身につける、という意味です。

現在セラピストをしている人の学び方の中では、
このサロンなどに就職してから技術を教えてもらった
という人の割合が、実は一番多いのではないでしょうか?

独学のメリット

サロン勤務をしながら、そのサロンの技術を学ぶことの
一番のメリットは、経済的な面でしょう。

自分自身のサロンではないので設備投資もいらないですし、
そこの技術は無料で教えてもらえるので、
授業料も必要ないところがほとんどです。

身体一つあれば、
自己資金0円で始められます。

しかも勤務として入りながら学べるので、
お給料をいただきながら技術を教えてもらい
訓練を積むことができます。

また、店舗サロンには固定のお客様も多数あります。

様々な状態のたくさんのお客様の身体に触れ、
実際のお客様への施術経験を積むことができます。

この、顧客の絶対数の多さは、
一人のお客様からのご紹介でつながり、長い時間をかけて
一人また一人と徐々に客数を増やしてゆく
個人経営のサロンでは経験できない、
大きなメリットです。

独学のデメリット

技術や技能というものは、
元々が、弟子入りのような形で伝えられて来たのですから、
教える人も自分が教えられたのを真似て
順送りに教え育てるという経験学習です。

この学習の中では、
裏付けのある知識を理論的に伝えるのではなく、
感覚的に教えられることが多いようです。

「これを使って、ここら辺りをこんなカンジでやってね!」
とまあ、ほとんどがこんなカンジで教えられ、
身体についての理論は教えてもらえないことが多いようです。

毎年ドリームヒントを訪れるスクール生さんにも、
サロン勤務の経験者が多くありますが、

そのスクール生さんたちの一番の目的は、
「身体についてのしっかりとした理論を知って、
自信を持ってお客様に向かいたい」ということです。

 

また、経験学習には、経験値の違いにより、
学びに偏りができるということが考えられます。

一口にサロンと言っても、
それぞれのサロンによって得意な分野があります。
フェイシャルサロン、痩身サロン、リンパサロンと様々です。

当然お客様は、ご自身の目的によってサロンを選びますので、
毎日同じような目的のお客様に同じような施術をすることになり、
セラピストが使う技術にも偏りはできるということです。

全般的に幅広く学ぶことはむづかしいかもしれません。

 

また、オーナーさんや先輩の方々はサロン経験は豊富ですが、
自分自身が教えられた技術を教えられたままに
何十年も使い続けていることも多いようです。

サロン経験を重ねて、お客様に向かう中で
編み出した独自の手技を加えて、
「奥義」というような技術でカリスマと呼ばれる先生も
数あるとは思いますが、

美容や健康に関する知識や情報は
医学的な研究が進むにつれて、日々更新されています。

昨日までの常識が明日は非常識などということが
頻繁に起こっているので、
新しい知識を常に学び続けているかどうか?
ここも大切ですね。

独学での対策

セラピストとしてサロン勤務をしながら学びを深めるためには
興味をもつ」ことが大切だと思います。

オーナーさんや先輩に教えられたことを
言われた通りに繰り返すだけに留まらず、
あらゆる事に興味をもち、
オーナーさんは先輩セラピストさんに
積極的に質問をすることです。

経験豊富な先輩から豊富な知識を引き出すことが、
成長への近道ですね。

また、自分のいる環境の中だけで満足せず、
外の世界を知る事も大切です。

よそのサロンをお客として訪れ、
接客やサロンの雰囲気、その技術も含めて
常にお客様目線で体験する事は、
必ず大きな学びを得ることができます。

セラピストになるための学校に通う

「セラピストを育てる」ことを目的としている学校には

  • 専門学校
  • 専門スクール
  • サロン併設スクール

の3種類があります。
それぞれのメリット・デメリットについて見ていきましょう。

専門学校のメリットとデメリット

専門学校の一番のメリットは、
その分野について総合的に勉強することができるということでしょう。

授業内容は、セラピストになるために必要な理論や専門知識が、
系統立てて組み立てられたカリキュラムで
しっかりと学ぶことができます。

その多くは
ヘア、メイク・ネイル、エステなどの美容に関連する知識を総合的に学び、
その後アロマ、リンパマッサージ、フェイシャルなどの中から
専門的な技術を学んで行くコースを備えています。

それぞれに関連する資格を取る事ができるようになっていますし、
最近では、開業や就職についての相談窓口が
用意されているところも多いようです。

 

デメリットとしては、時間と費用がかかることでしょう。
1年とか2年単位で通学する必要があります。
専門学校ですから、平日の昼間は授業に出席するので、
働きながら学ぶことは難しいかも知れません。

当然授業料は高くなります。

技術を覚えるだけでなく練習して訓練する時間が含まれるので、
学費として考えれば、当たり前のことでしょう。

 

もう一つのデメリットは、
授業での練習量は多くても、実際に現場経験は積めないということです。

これらの点を考えると、
時間をかけてみっちり学んだ後に、
セラピストとして独立や就職するのには有効な方法です。

専門スクールのメリット・デメリット

専門スクールの一番のメリットは、
必要な技術だけを選んで学べることでしょう。

専門学校では、総合的な内容がカリキュラムに含まれていますが、
その全部を学びたいわけではなく、
個別的に、身につけたい内容だけを学びたい人、

つまり、すでにセラピストとして活躍している人が、
メニューを増やすために必要な内容だけを
選択することができるということです。

カリキュラムについても固定していないので、
自分のペースで受講内容をを選んで
好きな時期に学び始めることができるので、
仕事を続けながら、
休みの日を使って受講することも可能です。

費用的にも、抑えられます。

また専門スクールは、少人数制をとっているところが多いので、
講師とマンツーマンに近く、丁寧に教えを受けられることが挙げられます。

 

デメリットとしては、
少人数制のために、たくさんの人の身体に触れることは
少なくなります。
また講習の時間数も日数も専門学校に比べれば少ないので、
スクールでみっちり練習をするという訳にはいかず、
しっかりと復習や自主練習をしなければ、
技術を深めて習得することは難しくなります。

トリートメントに使うジェルやオイルなどの材料などは
個人で購入して用意するので、
授業料以外の費用もかかります。

また、専門学校と同じで現場経験をそこで積む事はできません。

サロン併設スクールのメリット・デメリット

エステやリラクゼーションサロンをしている人に習うという方法です。

メリットとしては
そのサロンの独自の技術が、マンツーマンで学べるところでしょう。

セラピストの技術は千差万別です。
それぞれのノウハウを積み上げているので、
これは先の「独学」に近い良さがあると思います。

また、勉強が終わるとそのままそのサロンで就職する
ということもあるようです。

オーナーさんがボランティア活動に積極的で、
産婦人科や老人施設でのボランティアスタッフとしての
活動の場が用意されていることもよくあります。

 

デメリットとしては、
先に書いた「独学」と共通しています。
先生の経験値によって、学びの内容に偏りができることでしょう。

また、サロン併設の一番の問題としては
サロンの営業に影響を受けることが多い事があります。

ドリームヒントのスクール生さんの実体験ですが、
自分がお客として通っていたアロマトリートメントサロンで
オーナーさんに勧められて勉強を始めたのですが、
授業の予約を入れても、お客様の予定が入ったからと
頻繁にキャンセルされると言うのです。

先生といえどセラピストでもありますので、
お客様の予約が優先することが多いのでしょう。
この問題は他のスクール生さんからも聞いたことがあります。

なおかつその授業は、先生と生徒の相モデルの
マンツーマンだったそうです。
未経験者の生徒さんは、
自分の技術に自信が持てず、ずっと苦しんでいました。

費用としては、決まった受講料の基準がなくて、
毎回何万円と、先生から請求されただけ支払う方式だったそうです。

対策

いずれの方法を選ぶにしても、
その学校でどんなことが学べるのか?
授業はどのように行われているのか?を
事前に学校訪問や体験スクールなどで
講師や授業の質を調べて確かめることが必要です。

しっかりとしたカリキュラムと、
料金体系がはっきりと定められているかどうかを
事前に確認することが大切でしょう。

そして何より
あなた自身が何をどのように学びたいのか?
はっきりと持つべきでしょう。

通信講座でもセラピストになれるのか?

実際にある学校やスクールに出かけて受講するのではなく、
自宅に 居ながらにして受けたい授業を気軽に受けられるので、
通信講座も人気です。

ペン習字や着付け、英会話など多種多様な通信講座があり、
セラピストスクールが通信講座を開催していたり、
最近では、通信講座専門のスクールも増えています。

通信講座のメリット

通信口座最大のメリットは受講料が安いことでしょう。
安い!とにかく安い!

専門学校や専門スクールに通うことを思えば
一桁違うこともあります。

 

あとは自分の生活の中で、都合の良い時間にできることです。

昼間にしっかり仕事をしたり、子育て中の人も
夜少し時間が空いたら取り組めます。

受講そのものに時間制限がないので、
長い期間かけて自分のペースでじっくり学べます。

自分自身の環境や経済状態に合わせて
自由に学ぶことができるのは安心な方法です。

通信講座のデメリット

通信講座については、メリットは逆にデメリットになりえます。

自分の都合でじっくり進めるということは、
都合が悪ければやれない、ということにつながります。

「今は忙しいし疲れているから、もう少し時間ができたらね」と
やれない理由が次々と起きてきて続かなくなります。

途中で挫折して投げ出しても誰にも文句を言われないので、
余程の強い意志がないと続かないのです。

私も若い頃には、色々勉強したくて
高額な英会話教材や習字のテキストなどを購入しましたが、
何年も使わず飾ったままになり
結局捨ててしまった覚えがあります。

特に値段が安ければ安いほど
金銭的にも罪悪感なく諦めることができます。

 

特にセラピストの勉強についての
通信講座の最大のデメリットは、
生身の体に直に触れることができないということです。

生きている肌に触れることの大切さは、
その皮膚の奥にある筋肉や骨などの組織を
掌で触れて感じ取り、確認するということです。

通信講座で学ぶ時の一番の弱点は、
直接生身の肌に触れるという経験値が無いことでしょう。

対策

通信講座を始める時は、
都合の良い時にやるのではなく、
自分の生活の中で、勉強する時間を確保することが必要です。

強い意志を持って、必ずやり遂げる覚悟を持って挑戦すれば、
理論などの勉強を何度も復習することができます。

現役でセラピストで、ある程度の経験値があれば、
ビデオを見るだけでも、ある程度の勉強はできますので、
通信講座はメニュー補強の方法としては有効でしょう。

まとめ

セラピストになるための学び方を色々見てきましたが、
それぞれに必ず良さと足りないところがありますので、
資料請求や問い合せ、見学などの情報収集をしっかりして
自分に合った学びの場所を探してください。

ただ、結果どの方法を選んだとしても
なれる人はなれるし、なれない人はなれないと思います。

なれるかなれないかは、本人次第なのです。

どんなに時間とお金が自由になって、
整った環境に置かれていても
自分自身に「やり遂げる」という気持ちがなければ、
何一つものにすることはできないでしょう。

楽しく思える好きなことであれば、
年齢や環境や条件も、障害にはなりません。
幾つになっても、どんな環境でも始められます。

 

私自身も、50歳を過ぎてから初めてリンパに出会いました。

「リンパってどんなもの?」という疑問の答えが欲しくて
勉強を始めました。

それまでやったことが無かったので、
やってみたら意外と楽しくて、
やってあげた人からもすごく喜んでもらえたので、
イケる感じがしました。

お友達も知りたいと言ったので、
スクールを始めました。

色んな疑問が湧いてきたので、
60歳になってからリメディアルを学びました。

とまぁ、申し訳ないほど軽い感じで進んできました。

まだまだこれから学びたいこと、やりたいことが山ほどあり
70歳になったら何を学ぼうか、ワクワクしています。

 

学ぶこと、知らなかったことを知ることには
大きな喜びがあります。

それが豊かな実を結ぶかどうかは、
あなた自身が楽しいと感じられること、
興味があることかどうかなのです。

いつから、どこで学んでも
必ずその時の自分に必要な学びは得られるものです。

 

迷っているなら、試しにやってみる!
やってダメなら次を探す!

そのくらいの気持ちで挑戦してみてはどうでしょうか。