「セラピスト」と一言で言っても
その働き方は様々です。

現在、セラピスト人口が増えているせいか
セラピストさんの活躍の場も年々増えています。

ここでは、セラピストとしての働き方に
どんな選択肢があるのか見ていきます。

セラピストの働き方、現状と将来性

セラピストの働き方は
大きく分けて3つに分けられます。

人口の多い順番に

  • アルバイト・業務提携(契約)
  • サロン就職
  • 独立開業

です。

では、一つずつ見ていきましょう。

アルバイト・業務提携で働くセラピスト

セラピストの3分の2以上が
独立開業せずにサロンに勤務しています。

一般的には
サロン勤務 = 正社員
と思われがちですが

セラピストの場合は
ほとんどがアルバイトです。

また、雇用形態で見ると
サロンに雇われている状態のセラピストよりも
個人事業主のセラピストとして
業務提携という形で契約している場合がほとんどです。

 

アルバイトとの大きな違いは
時給制ではなく、完全出来高制というところです。

一般的に、アルバイトや社員よりも
売り上げに対する報酬率は高い場合がほとんどですが

例えば、朝10時から夜7時まで
サロンに常勤していたとしても
一日中、全くお客様の来店が無ければ
報酬は支払われません。

また、報酬率は高い代わりに、交通費や制服代など
必要経費の支給が無い場合も少なくなく
トリートメントに使用するタオルやオイル、ジェルなども
セラピスト自身が準備する場合もあります。

 

また、産婦人科や結婚式場、スポーツジムなど
契約先へ出向いてトリートメントする出張セラピストなど
店舗サロン以外にも、様々な勤務先があります。

その場合、予約が無ければ出勤する必要はありません
当然、時給はもらえず、決まった割合を報酬として受け取って
場所代と集客以外、一切の経費をセラピストが負担します。

逆に、良い提携先が見つかれば
サロンのメンテナンスや集客に悩むことなく
セラピストとしての仕事に集中して取り組みながら
安心して働き続けることも可能です。

アルバイト・業務提携で働くセラピストの将来性

  • アルバイトは、時給のみ、または時給+出来高
  • 業務提携は、時給無し、完全出来高制
  • 業務提携の場合、必要経費がセラピスト負担になる場合も多い
  • セラピスト自身が集客に困ることは少ない
  • サロンに就職するよりも、勤務時間の自由度が高い
  • 良い提携先が見つかれば、長年にわたって安定して働くことができる

サロンに就職して働くセラピスト

リラクゼーション業界では
正社員としてセラピストを雇っているサロンは
実はあまり多くはありません。

特に、女性の多い業界ですので
就職して安定を求めるセラピストよりも
子育てや主婦業と両立する自由度を優先する方も多く
離職率が高いことも原因のひとつだと思います。

 

サロンに就職する場合
時給や月給などの固定給の場合がほとんど
サロンによって、そこに成績に応じた報酬が加わる場合がほとんどです。

大手サロンや、多くのスタッフが所属するサロンの場合
お客様の指名があれば指名料がもらえたり
マネージャーや店長などの役職給も支給がありますし
もちろん雇用保険福利厚生もありますので

やり甲斐がありながら、安定した収入が得られるので
若いセラピストさんは就職を希望されることも少なくありません。

 

ただ、サロンによってノルマがある場合も多く
トリートメント以外に、商品や回数券など
販売も業務として必要になるので

トリートメントが好きでセラピストになったのに
ノルマや成績に苦しめられるセラピストも少なくありません。

 

また、正社員を雇えるだけのサロンは
ほとんどが大手サロンや路面店ですので
勤務形態はシフト制のフルタイムがほとんどです。

こうしたサロンは、営業時間も長いですので
勤務時間もきっちり8時間なのが一般的です。

サロンに就職して働くセラピストの将来性

  • 時給・月給に、売上と経験に応じた出来高報酬がある
  • 役職給や雇用保険、福利厚生などの保証がある
  • 経済的・社会的な安定を手に入れられる
  • 商品や回数券の販売ノルマや成績による評価がある
  • アルバイトや業務提携に比べて、勤務時間に自由度が少ない

独立開業して働くセラピスト

セラピスト人口の中でも
独立開業してサロンオーナーとなる人は
全体の3分の1程度。
廃業率も考えると、もっと少ないかも知れません。

多くのセラピストさんは、ライフワークバランスから
自宅サロンの開業を目指す方が多いですが
路面店舗を借りてサロンを開業する方も少なくありません。

 

独立開業して働く場合
セラピストとしての能力はもちろん
経営者としての能力も必要になってきます。

ですから、たとえスタッフとして
セラピストを雇ったとしても
実際の勤務時間は、全体のセラピストの中でも
最も長い時間働いている場合がほとんどです。

また、独立開業すると、自力で集客することになりますので
時間もお金も、必要経費は一番多くかかります。

 

収入の面でも、自宅サロンを開業する場合は
路面店サロンを開業する場合に比べて
大きな利益を上げることは難しいですし

路面店サロンだったとしても
多くのスタッフを雇うプレッシャーも加わりますので
悠々自適な生活が待っているわけではありません。

 

また、せっかく独立開業しても
最初の2〜3年で80%以上が廃業する
と言われていますので

独立開業したから、自由もお金も手に入る
と思っていると、想像以上に大変かもしれないですね。

独立開業して働くセラピストの将来性

  • 多くのセラピストが憧れるが、実際に独立開業できるのはほんの一部
  • 独立当初は、アルバイトや正社員に比べて勤務時間は長い
  • 自宅サロンで路面店サロンと同等の収入を得るのは難しい
  • 安定した経営を続けられれば、スタッフを雇うことも可能
  • セラピストとしての経験だけでなく、あらゆる経験や人脈を生かせる

セラピストの求人

求人情報サイトなどに掲載されている
セラピストの求人のほとんどが、未経験OKです。

一般的に、未経験OK=未経験者でもできる仕事
と考えられると思いますが
セラピストの求人の場合は少し違います。

未経験OKでセラピストの求人をする理由

サロンにとって、セラピストさんの技術は
サロンの売り物(商品)そのものです。

ですが、未経験から勤務を始めて
すぐに売り物になるセラピストになれる
なんて事は、残念ながらありません(涙)

 

では、なぜ「未経験OK」で求人するのでしょうか?!

 

未経験OKで求人するには、いくつか理由があります。

 

セラピスト未経験OKで求人をする理由

  • サロンによって商品となる技術が違う
  • サロンで扱う商品(技術や化粧品)についての経験者に限ると、該当人数が少なすぎる

サロンによってセラピストの技術が違う

セラピストの意味」でもお伝えしていますが
セラピストになるたために、国家資格は必要ありません。

と言うことは、セラピストの技術自体に
全国統一の技術というものは存在しない、と言うことです。

ですから、あまり知られていませんが

 

同じサロンに勤務していても、セラピストさんによって
トリートメント技術が違うことがほとんどです。

 

同じ「リンパトリートメント」と呼んでいても
セラピストさんが勉強した方法によって
それぞれ違うリンパトリートメントを行っています。

要するに、経験者を雇ってしまうと
セラピストさん毎に商品が違ってきてしまうんです。

 

ドリームヒント出身のセラピストさんにも
路面店サロンに勤務しているセラピストさんがいらっしゃいますが

転職の度に、改めて自分の技術を気に入ってくださる
お客様を開拓しなければならないので
それはそれで大変なご様子です。

 

「未経験OK」でセラピストを求人するサロンの多くが
こうした手技の違いを無くすために
新人研修として技術研修を行っています。

こうしたサロンでは、経験者の採用もありますが
全く違う技術を既に習得しているセラピストさんの場合
新しい技術を身につけるのに、未経験者よりも苦労することがあります。

 

ドリームヒントにも、メニュー追加や客単価アップの為に
現役セラピストさんが通われる場合も多いですが

特に、セラピスト暦が長い方や
元々の技術で日々お客様をとっているセラピストさんの場合

新しい技術を学んでも、元々の技術と混同したり
体の使い方や考え方を切り替えることができず
なかなか元々の技術の癖が抜けない方も珍しくありません。

 

ですから、採用する側からすれば
既に技術と経験を持った現役セラピストよりも
真っ新な未経験者を雇った方が
新人研修がスムーズだ、と考えられてしまいます。

こうした理由から、現役セラピスト向けの求人よりも
未経験者向けのセラピスト求人の方が多くなっています。

経験者に限ると、該当人数が少なすぎる

先にもお伝えしましたが、サロンによって
セラピストさんの技術が違います。

ですから、サロンで既に主になって働いているセラピストさんと
全く同じ技術を習得しているセラピストさんを探すのは、大変難しいです。

 

仮に、アロマ環境協会で認定されているアロマセラピストでも
使用するアロマは同じアロマエッセンスだとしても
トリートメント技術は、教わった先生によって大きく変わってきます。

リンパトリートメントやリメディアルセラピーに至っては
アロマ環境協会ほど大きな認定機関はありませんので

多くのセラピストさんの中から
全く同じ先生から学んだセラピストさんを探すのは
日本中の砂浜で、同じ形の貝殻を探すのと同じくらい難しいことなんです。

 

ドリームヒントでご紹介する就職先は
ドリームヒントで学べる技術をそのままメニューにしてくださっていますが
そうした就職先を持っているスクールは珍しく

ほとんどのスクールが、サロンで雇った人向けに
そのサロンで商品としている技術を教えていたものを
スクールとして生徒を募集している事がほとんどです。

 

ですから、サロン併設スクールで学んだ方が
就職先でその技術が全く通用せずに
結局は就職先でもう一度勉強させられた
と言うのは当然の出来事です。

そうして、セラピストさんが苦労するのと同時に
雇う側も、全く同じ技術かどうか面接だけで確認することは難しく
せっかく経験者を雇っても、結局はイチから教えるのですから

だったら真っ新な未経験者を雇いたい

そう思う気持ちも理解できますよね。

研修付きのセラピスト求人は要注意

最近では、
「未経験OK!きっちり研修します!」
とうたっているセラピスト求人も増えています。

しかし、この「研修」にも、注意が必要です。

 

まず、有料研修でないかどうかを確認しましょう。

ほとんどのサロンでは
社員研修として無料で研修を行っていますが
「研修費」の名目で、採用の時点でお金を請求される事もあります。

求人情報に掲載が無ければ、前もって確認して
面接時にも直接確認をして
それでも採用が決まって一ヶ月目の給与から
研修費として天引きされていた、と言う例もあります。

もし、勤務開始から一定期間
研修中として給与が安いのであれば
それ以上に研修費を請求することはありませんし

そもそも研修費も負担できない様な経営状態で
スタッフを雇っていること自体がおかしいです。

 

次に、技術を教わる研修が終わって
実際にお客様にトリートメントをし始めた場合に
研修中の報酬がもらえるかどうか、確認してください。

未経験だし、まだ覚えたてだから

そんな理由で無報酬でお客様を取らせるサロンが
実際に存在しています。

新人価格や研修中価格で、定価よりも安いとしても
お客様からお金をいただいているのなら
担当セラピストさんに報酬が発生するべきです。

お客様に、良いトリートメントをお返しするためにも
セラピストさんがきちんと稼いで満足していることが重要です。

 

最後に、研修日程に無理が無いか、確認してください。

寮に泊まり込みで研修を受ける場合もありますが
短期間で技術を習得しようとすると、身体に負担がかかります。

セラピストの職業病でもご紹介しましたが
長時間のトリートメントを続けたり
短期間に大量のお客様をとることで
身体を壊すセラピストさんが増えています。

特に、料金の安いサロンでは
セラピストに無理をさせることで
売り上げを上げようとするサロンも少なくありません。

ドリームヒントでは、特に未経験者の場合
多くても週2回、計5時間の受講を上限として
理想の受講頻度は2週間に一度としています。

これは、授業を慌てて進めるよりも
ご自宅で家族や友人・知人に練習することで
確実に、無理なく技術を身につけていただくための目安です。

未経験者が、一日10時間、週5日の研修を一ヶ月続けたら
確実に身体に不調が出ます。

 

これらの注意点は、実際に、ドリームヒントに通っていた生徒さんが
前職で働いていた某大手サロンで体験された事を元にしています。

有料で、3ヶ月泊りがけの新人研修無報酬で
サロンで有給勤務を始める頃には腰痛を発症していました。

そんな研修、絶対おかしいです。

 

セラピストさん自身が、サロンの売り物(商品)です。

 

売り物を大切にしないサロンに
お客様を大切にできるはずがない。

お客様を大切にできないサロンに
明るい未来はありません。

 

未経験者は特に
「この業界では、これが普通だから」
そう言われてしまえば対抗できません。

研修付きのセラピスト求人には、くれぐれもご注意ください。

研修付きセラピスト求人の注意点

  • 研修費はかかるか(研修料・受講料・認定料 etc.)
  • 研修中の報酬はあるか(時給・出来高払い etc.)
  • 研修日程に無理はないか

働き方を上手に選べば、将来性はある

セラピストの働き方を、雇用形態で分けて見てきましたが
これはあくまで一般論です。

全員が、アルバイトから始まって、正社員になり
経験を積んでから独立開業するわけではありません。

特にリラクゼーション業界は、まだまだ若い業界です。
ドリームヒント加藤校長の様に、どこにも働きに行かず
始めから自宅サロンを開業して15年、20年、続いているセラピストさんも少なくありません。

様々な働き方の中から、あなたに合った働き方を
その時その時に応じて選んでいくことで
セラピストとして一歩ずつ成長していってください。

セラピストって、ぶっちゃけ儲かるの?

セラピストの収入・年収もご覧ください。